383ストローカーリビルド(2) アメ車修理
2025年6月7日更新
外したエンジンの分解、測定作業に移ります。
車からエンジンを外すのに、プレナム、ランナー、インマニがあるとチェーンで吊れない
ので、オンビーグルで外しておきます。
エンジンスタンドに固定し、シリンダーヘッドを外すのですが、その前に
ロッカーアーム、プッシュロッドなどを外してからシリンダーヘッドボルト
を外してエンジンブロックから外します。
シリンダーヘッドボルト(オリジナルボルト)GEN1(~1995年)
ロングボルト65ft ショートボルト55ft
(アルミシリンダーヘッド)
ちなみに GEN1 (1966~2002年)
ファーストトルク20Nm+90°+90°
(スレッドにエンジンオイル塗布時)
ARPなどはメーカー指定トルクがあります。
でっ、分解のためにボルトを緩めようと腰を入れて長めの
ブレーカーで「えいっ」!」 いつもならここで「パキン!」とか
「ガキッ!」とか緩む音がするはずなんですが、この時は、「むにゅ」
って感じですでに緩んでいたかのように軽い力で緩んでしまったのです。
もしかして….。締め忘れ? まさかなぁ~。
3/8電動インパクトレンチで簡単に緩んでしまうのです。
それもそのはず、スレッドにはRTVがてんこ盛りに塗らて
いたんです。
修理屋ならやらないでしょ、スレッドにRTVは塗らない、塗ってはダメっ!
なです。
理由は3つだけ:
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正しいトルクがかからない
→ RTVはゴムのようにすべって、締めても本当はゆるいまま。 -
締めすぎてネジ山を壊すこともある
→ 表面で引っかかって、必要以上に力がかかることも。 -
熱で固まってボルトが緩む原因になる
→ エンジンが熱くなると、RTVが縮んで軸力が落ちる。
🚫 RTVはシール剤。ネジに塗るものではありません。
ヘッドボルトにはエンジンオイルや専用の潤滑剤だけを使いましょう。
とくに「水路に貫通するボルト」には**ネジ用シール剤(非硬化タイプ)**が正解。
と言う事です。
RTVを多用するメカニックの事を海外では「 シリコニア(Siliconia)」
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「液体で埋めれば、問題なんて存在しない」
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「締めたらはみ出た?よし、効いてる証拠だ」
-
「RTVは接着剤でも、構造材でも、心のお守りでもある」
RTVアーティストととも呼ばれているんですよ。
面白いですよね。
分解していて驚いたのは、エンジン内部と部品が真新しい事。
組んだばかりじゃんもしかして….。このエンジンって感じなんです。
それもそのはず、ストローカーリビルドされ納車されてからそんなに
経ってないと言うか1000Km走行してないとオーナーが。
なのになぜ打音が?
原因はおいおいと。